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テフロン™とは

 

フッ素樹脂は1938年に、デュポン社のプランケット博士によりTFE(Tetra Fluoro Ethylene:四フッ化エチレン)の重合物が発見され、以来コーディング材料、成形品、含浸材料、フィルム等としてデュポン社のテフロン™の商品名で広く用いられてきました。商標名テフロン™として市場に紹介されました。「テフロン」、「Teflon」はフッ素樹脂についてのデュポン社の登録商標です。ご使用にあたっては米国デュポン社からのライセンスが必要です。

テフロン™はほかの工業材料では得られない①耐熱・耐寒性②耐薬品性・耐触性③非粘着性④低摩擦特性⑤電気特性⑥不燃性などのすぐれた物性を兼ね備えており、その用途は現在では身近な家庭の厨房用機器から最先端の宇宙機器に至るまで非常に多岐にわたっています。
テフロン™独自の性質は炭素-炭素間結合の重合物を基幹としてその周りを大きい安定性あるフッ素原子で囲んでいる構造の不活性さに起因しています。フッ素原子は炭素-炭素間結合物に安定して結合し、化学的作業によって脱離することはないので熱に対して特に安定しています。
最近では、その品種も20種類を超えるまでになってまいりましたが、それぞれの高分子の構造上の特徴に応じて、非粘着性、低摩擦性、耐侯性、弾性などの特性がこれに付加されております。

 

ふっ素樹脂加工のすべてがテフロン™加工というものではありません。

テフロン™加工は、調理器具なら耐熱性や耐摩耗性等、撥水性や防汚性等、耐久性の点で、他のふっ素樹脂加工にはない優れた特性を有しています。
そのクオリティを選ぶなら、テフロン™加工されたものであることを保証する「Teflon™」のロゴやタグを目印にして下さい。
 

 

Teflon™ HISTORY

ふっ素樹脂は、1938年、米国ケマーズ社・ジャクソン研究所にて、ロイ・J・プランケット博士により世界で最初に発見されました。
ケマーズのふっ素樹脂のブランドとして「テフロン™」と名付け、1961年にテフロン™加工のフライパンをニューヨークの百貨店で発売したところ、大反響。以来、「焦げ付きにくい調理器具」の代名詞になるほど、キッチンに革命をもたらしました。

 


 写真右: ロイ・プランケット博士(右)と助手
 

テフロン™加工を施し、その品質を高めることで、50年以上も世界中の人々に信頼され、愛され続けているテフロン™。その機能性、安全性、環境性は、今や食品や衣料分野のみならず、建築、情報、エネルギー分野等に幅広く利用されています。

 

 

 

 写真左 : テフロン™発見時のプランケット博士の実験ノート

 

テフロン™コーティングの持つ特性

 テフロン™コーティングは、他のコーティングでは得ることのできない優れた特性を有しており、以下の様なユニークな特性を持つ塗膜を実現することが出来ます。

 

 非粘着性

ほとんどの物はテフロン™コーティングに固着しません。非常に薄いコーティング被膜でも非粘着性を示します。ただしエポキシ樹脂金型の雛型用など、厳しい非粘着性を要求されるところや、年度の低い粘体に対する非粘着性を得るためには、ピンホール発生の少ないテフロン™FEP系、PFA系の粘膜を使う必要があります。

 

 耐熱性

テフロン™PTFE系、PFA系及びPTFE/PFA複合系は耐熱性の他、低温特性に優れ、短時間なら300℃まで、一般的には260℃から-240℃まで広範囲にわたり使用できます。テフロン™FEP系は204℃まで連続使用が可能です。

 

 すべり性

テフロン™コーティングは非常に低い摩擦係数を持っています。荷重、摺動により摩擦係数は変化しますが、一般に0.05~0.15の間の値を示します。

 

 電気特性

テフロン®はあらゆるプラスチックの中でも最も優れた電気的性質を持っています。テフロン™の電気絶縁性や誘電損失の少なさ、耐アーク性などはテフロン™の耐熱性を考えると電子部品として非常に興味あるものです。テフロン™FEP系やPFA系及び変性塗料系は電気的用途に適しています。ただし、ピンホールが発生しないようにして塗膜を形成させねばなりません。

 

 耐摩耗性

テフロン™変性塗料系は、テフロン™の持つすべり性と有機バインダー樹脂による向上した被膜強度を兼ね備えることにより、荷重の高い摩耗に対しても優れた耐摩耗性を示します。複写機定着ロールや練りロール、また調理器具など適度の荷重がかかる摩耗に対してはテフロン™PFA系及びPTFE/PFA複合系を用いることにより、耐摩耗性と非粘着性の両方の優れた被膜が得られます。

 

 耐薬品性

テフロン™はほとんどの薬品に侵されることはありませんが、コーティングの場合被膜が薄いとピンホールが発生しやすいため、膜厚を厚くする必要があります。また浸透性の強い薬品に使用するときには、その浸透力も考慮しなければなりません。耐食用としては、テフロン™FEP系はピンホールの発生が避けられず、耐食用として適当ではありません。

 

 非濡性

テフロン™コーティングの表面は油も水もはじき、工業的操作で用いられるほとんどの溶液によって濡れることがなく、また汚れにくくなります。汚れた場合でも簡単に清掃することができるので、「休止時間」が減少し、省力化・高能率化が期待できます。